ビタミンAとは?

ビタミンAは、油脂に溶けやすい脂溶性ビタミンのひとつで、動物性食品に多く含まれるレチノール、緑黄色野菜などの植物性食品に多く含まれるβ-カロテンやα-カロテンなどがあります。

レチノールはそのままビタミンAとして作用を発揮します。一方、β-カロテンやα-カロテンなどはカロテノイドと呼ばれる赤や黄などの色素成分で、摂取すると体内でビタミンAに変換されます。これらはプロビタミンAと呼ばれ、約50種類ほどあるといわれています。

そのため、ビタミンAはレチノールの量とβ-カロテンやα-カロテンなどの量に変換率を考慮した数値の合計で表し「レチノール活性当量」として次の計算で求められます。

レチノール活性当量(µgRAE)=レチノール(µg)+β-カロテン(µg)×1/12+α-カロテン(µg)×1/24+β-クリプトキサンチン(µg)×1/24+その他のプロビタミン A カロテノイド(µg)×1/24

どんな働きがありますか?

ビタミンAは目や皮膚の粘膜の健康を保ち、いきいきとした肌や髪のために大切な栄養素です。また、鼻やのど、肺などの粘膜の材料となり、ウイルスから体を守るといった働きがあります。

○瞳のうるおいを保つ
○視力の維持を助ける
○皮膚や髪、爪の健康を保つ
○体内を酸化から守る

常に新しいものに入れ替わる皮膚や髪の毛、爪などにも関わるので、日頃から取り入れたい栄養素です。

ビタミンAが多く含まれている食品は?

ビタミンAは、主に肉や魚にはレチノール、野菜にはβ-カロテンが多く、鶏レバー(50g)に約7,000µgRAE、にんじん1本(100g)に約720µgRAE含まれています。

肉類:鶏レバー、豚レバー、牛レバーなど
魚類:あんこう(きも)、うなぎ、ぎんだら、あなごなど
卵類:うずら卵、鶏卵など
油脂類:バター、牛脂など
野菜類:にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、にら、小松菜など

※アレルギーをお持ちの方や脂肪分が多い食品には注意してください。
※レチノール活性当量(µgRAE)で示しています。

1日にどれくらい摂ったらいいですか?

1日に必要なビタミンAの量(レチノール活性当量)は成長期の子どもで500~900µgRAE、大人では650~900µgRAEです。
※プロビタミン A カロテノイドを含む。

>>1日に必要なビタミンAの摂取量(2020年版)

油に溶けやすいビタミンなので、油で炒めたりドレッシングやマヨネーズと一緒に摂ることで吸収率がよくなります。

β-カロテンによるビタミンAの過剰症の心配はありませんが、脂溶性ビタミンのため摂取した分だけ体に蓄積されます。

食事摂取基準では、1日のビタミンAの上限量は成長期の子どもで1,200~2,600µgRAE、大人で2,700µgRAEと定められています。
※プロビタミン A カロテノイドを含まない。

動物性食品を食べる機会が多い場合やビタミンAを多く含む食品を過剰に摂るなど、極端に偏った食事には注意が必要です。

ビタミンAが必要なわけ

ビタミンAは「目のビタミン」ともいわれ、健康で潤いのある瞳に欠かせない栄養素です。そのため、不足すると暗いところで目が見えにくくなることもあります。
また、肌や粘膜が乾燥し肌が荒れたり、細菌やウイルスへの抵抗力が弱まり風邪をひきやすくなる場合もあります。

細胞の増殖にも関わり体の成長と発育を促す働きもあるといわれるため、成長期の子どもに必要な栄養素のひとつです。

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